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東京・江東区が行った災害情報伝達手段の多様化実証実験

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東京都江東区は、東日本大震災の教訓を踏まえ、災害対応力強化を区政の最重点課題に位置付け「防災都市江東」を掲げている。平成24年度総務省消防庁が実施した「住民への災害情報伝達手段の多様化実証実験」に応募・提案を行い、全国の自治体の中から、実証実験に参加する6自治体のひとつにも選出されている。江東区の災害対応力強化への取り組みを取材した。

災害時でも輻輳なく大容量データの送信可能

東京都の東部に位置する江東区は、荒川や隅田川、東京湾などの水域に囲まれ、江戸をしのばせる古いたたずまいと、超高層マンションやオフィス街などが調和している。数々のイベントが開催される東京ビッグサイトに代表される大規模集客施設も多い。

区では、災害情報伝達手段の課題として、既存の60MHz帯防災行政無線(同報無線)の音声到達障害、住宅の機密化に伴う屋内への情報伝達の困難、臨海部など集客施設に集まる旅行者への情報伝達などがあげられていた。

「例えば、2011年3月11日の東日本大震災発生時、区内には113局の防災行政無線を設置していました。しかし、高層住宅に住まれる方などから、“聞こえなかった”という声が多数寄せられました。その後20局を増設したのですが、まだまだ情報伝達手段としての弱さを実感しており、それらの対策として災害時でも輻輳なく大容量のデータ送信が可能な多重無線通信網の整備、防災行政無線放送設備の高性能化、帰宅困難者に災害情報を伝えるエリアワンセグ放送など、最新の情報通信技術の実証実験を提案し、設備の整備を行いました」(総務部危機管理室危機管理課長林良洋氏)

(中略)

システム構成は、基地局が防災センター。拠点は、東陽、亀戸、西大島、門前仲町、豊洲、有明の6ヶ所、中継・移動局は区立公園など9ヶ所である。
「エリアワンセグ」は2012年4月から放送免許取得が可能になったことを受け、翌13年4月から5年間のエリアワンセグ放送免許を取得。
区内6エリアで24時間365日、防災情報のエリアワンセグ放送を行い、非常時は映像と音声情報で緊急情報を伝える。

(中略)

江東区の画期的システムが全国の自治体に広がるよう期待

2014_05_bousai_eye02.jpg「多重無線システム」は東京23区初の取り組みだが、他にも画期的な取り組みがある。

「デジタルサイネージ」もそのひとつ。

これは、屋外ディスプレイ付き自動販売機で、区民へ防災情報を提供するもの。現在、亀戸駅前公園、東陽公園、豊洲三丁目公園、有明石と光の広場の4ヶ所に設置している。

「高性能スピーカー(ホーンアレイスピーカー)」の設置も、23区初となる。

現在、市街地と臨海部の2ヶ所に設置し、音達距離500メートルを確認。既存の防災行政無線スピーカー(音達距離250メートル)との併用運用で、区民の聴取環境の改善を図っている。

「区では、長年にわたって無線環境の整備を行ってきました。その中のひとつが、ホーンアレイスピーカーの設置となります。現在(平成26年1月現在)は市街地1箇所と、東京ビッグサイトがある有明の臨海部に1箇所それぞれ設置しています。逆に、街の中では、高いビルに音が反射されるなどして、ホーンアレイスピーカーの音がビルの裏側まで届きにくいなどのデメリットがあります。そこで街の中は、従来の防災行政無線を使うという形で、それぞれの特徴を踏まえた使い分けを行っています」

(後略)

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さいたま市の帰宅困難者対策レポート

対策協議会やPHS貸与制度など、さいたま市の帰宅困難者対策に迫る

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大宮駅や浦和駅を持つ、さいたま市は毎日大勢の人々が行き交う巨大都市だ。それだけに災害時には帰宅困難者の発生が予想される。事実、3.11でも両駅を中心に帰宅困難となった人が多数出た。そこで同市は、首都直下型地震などの大災害を想定し、帰宅困難者対策を進めている。

さいたま市総務局危機管理部防災課 防災対策係 主任 藤川 淑貴氏

大宮駅と浦和駅に「帰宅困難者対策協議会」を設置

東京都が帰宅困難者対策条例を施行し、企業に従業員を事業所に留めることや備蓄を義務化しているのは周知の通り。さいたま市は今のところ、条例化の予定はない。そこで企業任意の取り組みを促すための啓発活動を行っている。

そのひとつが「一斉帰宅抑制対策推進事業者登録事業」だ。これは市内事業者への一斉帰宅抑制の基本方針の啓発とあわせ、基本方針に沿った対策を推進する事業者を登録、市のホームページでPRする取り組みだ。
「登録事業の開始は、平成25年3月。同年12月までの登録数は、147事業所で総従業員数は約14,000人となっています」
と語るのは、さいたま市総務局危機管理部防災課 防災対策係の主任・藤川淑貴氏。先進的な事業者については具体的な取り組み事例を紹介しており、その企業のPRになることはもちろん、他社の今後の取り組みにも大きな参考となっている。

また、駅周辺に帰宅困難となった多数の滞留者が発生した場合に備え、大宮駅と浦和駅に「帰宅困難者対策協議会」を設置。これは埼玉県とさいたま市が共同事務局となり、行政や鉄道事業者に加え、駅周辺の民間事業者などと平常時から災害対策に関する情報交換などを行い、災害時に迅速な対応ができる連絡体制作りを目指しているもの。協議会が主体となり、普及啓発活動や駅周辺の混乱防止のための訓練も実施している。

設置日は、大宮駅周辺帰宅困難者協議会は平成24年4月26日、浦和駅周辺帰宅困難者対策協議会は同年6月5日だ。
「それぞれ、協議会関係機関の連絡方法の検討、一時滞在施設への誘導方法の検討、駅利用者への災害時の行動ルールである”むやみに移動を開始しない”を啓発、事業所への帰宅困難者対策”一斉帰宅抑制の基本方針”の啓発、帰宅困難者対策訓練の実施を中心に活動しています」

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