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医療と情報技術の融合 ― その光(メリット)と影(リスク) ―

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近年、パソコンに限らず、様々な電子デバイスの普及により、ITは我々の生活において身近なものになっている。そして医療の分野においてもIT化はあたり前になっており、最近は医療品のインターネット販売の解禁が話題になっている。そこで今回は医療情報分野の黎明期であった時期から活躍されている横井英人氏に、日本発の高度な医療システムなどの国際規格の制定、さらには薬のインターネット販売など、医療情報システムのメリットとリスクについて語っていただいた。

香川大学医学部付属病院 医療情報部 教授 横井 英人氏

国際規格について

特に近年は、日本発の国際規格の制定に注力しています。これは行政システムの国際整合性確立のための場合もありますし、病院内で運用されている電子カルテに関連する規格を作る場合もあります。日本の電子カルテは2000年頃から本格的に普及してきましたが、それまでも保険請求の事務作業を行うレセクトコンピュータや、検査結果などを処理するシステムは、紙カルテを用いている病院でも導入していました。電子カルテに移行して、院内の多くの情報を電子化することとなると、様々な会社のシステムを組み合わせる必要があり、そのためにはデータの標準化が必要になります。
日本では医師をはじめ医療者が不足していますので、できるだけ効率的な運用を行わなくてはならず、国内各社はそのための高度なシステム作成ノウハウを持っています。
こういうものを国際規格として海外に出し、日本で行われているシステム接続の方法が国際標準になれば、海外にシステムを展開するときにシステムを作り直さずに済み、結果的に少ない投資で高品質なシステムを輸出することができることになります。
そうなれば、間接的ではありますが、国益につながることになります。

一般用医療品のネット販売について

医療情報を電子的に扱い、更にインターネット上で通信することを考えると、テレビ会議システム・テレビ電話などを使って、遠隔で医療ができないかという議論が起きます。また、2013年の1月に一般用医薬品のネット販売について、現在かかっている規制は違法であるという最高裁の判決が出ました。医師の処方箋(せん)がなくても薬局・薬店で買える一般用医療品はそのリスクにより、第一類から第三類まで分けられ、これまではリスクの低い第三類の通信販売のみが行われていました。
しかしこの判決を受け、多くの一般用医薬品が通信販売、多くはネット販売となると思われますが、可能となりました。具体的には、どのような薬がネット販売に向かないか、という議論は難しいですが、ここで、皆さんに理解しておいて頂きたいことは、インターネット上の個人特定が難しいことに起因するリスクです。2012年に問題になりましたが、PCを乗っ取られたPCの持ち主らが逮捕されるという事件がありました。
このようにネットワーク上では、巧妙に細工をすると、他人になりすまして通信したとき、すぐにはわかりにくいことがあります。このような前提で、薬をネット上で購入することを考えた場合、取引に関与している人の特定が難しいというリスクがあります。

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